ブタブタ

幻の湖のブタブタのレビュー・感想・評価

幻の湖(1982年製作の映画)
1.0
~東宝創立50周年記念作品~
しかし公開2週間程で打ち切りになりながらくビデオにもならずこの映画自体が幻でした。
ネタバレ全開レビーですのであしからず<(_ _)>
黒澤明作品や『八甲田山』『砂の器』そして最近では『シン・ゴジラ』の元ネタとして再ブレイク(?)中の『日本のいちばん長い日』等々...いずれも名作・傑作ばかり。
これらの脚本家として知られる巨匠・橋本忍・監督原作脚本作品何ですが何故こんなもの(失礼)が出来上がったのか。

この映画の大失敗で橋本忍氏はすっかり日本映画界から干されて事実上の引退に追い込まれ、後年インタビューで「あんな映画作らなければよかった(;´д`)」と語る様に氏にとっても東宝にとっても長年ビデオ化されなかった所を見ると本当は消してしまいたい黒歴史作品なのでしょう。

ストーリーですが復讐劇であり時空を超えたロマンスとも言えなくもないですが自分には全然わかりません(笑)
ヒロイン・道子(南條玲子)は「高級特殊浴場」に勤めており、今の若い皆さんは知らないかも知れませんがこの当時「高級特殊浴場」は何故か某国の国名で呼ばれておりそれが原因で国際問題になってしまい名称が改められたのですが、聞いた話では、この某国大使館職員がタクシーに乗って「大使館まで」と言ったら運転手が大使館ではなくて高級特殊浴場の「トルコ大使館(あ、言っちゃった)」と言う名前のお店に連れてってしまい大使館職員は激怒し日本政府に厳重抗議が来て高級特殊浴場は「ソープランド」に名称が改められたそうです。

道子はジョギングが趣味で琵琶湖の周辺を休日に走りつつ、愛犬シロと仲良く暮らすごく普通の女性ですが、この愛犬シロがある日作曲家の日夏と言うろくでもない男に殺され復讐を決意します。
何でシロが殺されるのかは全く解らないのですけどそんな事はこの映画の狂った世界からしたら些細な事です。
シロを殺した凶器である包丁を手に道子はシロを殺した憎き相手への復讐を誓います。

この「犬を殺され復讐する」と言うシチュエーションは『ジョン・ウィック』を先取りしてますね。
(U ^ω^)わんわんお!

道子がまたジョギング中に何処からか笛の音が聴こえて来て、それは横笛を吹く謎の男。
この謎の横笛男それから銀行員とも道子はいい感じで道子はモテモテです。
道子は日夏を追って上京しますが東京には何故か道子の同僚であるトル...ソープ嬢のアメリカ人・源氏名「キリシタン」が居て彼女は実は・どうやら・何故かCIAの諜報員で自衛隊の兵器購入を巡る談合等について調査をしているらしいのですが、じゃ何でトル...いえソープに勤めてるの?と疑問もありますがそれはさておきコードネーム・キリシタンは今度は東京の某企業でOLに化けて潜入調査をしている様で、そのついでか何かは分かりませんが道子の復讐に何故か協力し、日夏の居所をコンピュータをチョチョイと操作して立ちどころに突き止めてしまいます。
コードネーム・キリシタンは『24』のクロエみたいに出来る人です。
そして日夏の趣味が何故か自分と同じジョギングだと知った道子は愛犬シロの仇を討つ為にジョギング勝負に挑みます(何で?)
(U ^ω^)ワン!
この「第1回琵琶湖ジョギング勝負」は日夏の勝ち、逃げられてしまいます。
傷心の道子のもとに何故か謎の横笛男が現れて、この笛を巡る信長と浅井長政とお市の方(言い忘れましたが道子の源氏名はお市)と琵琶湖の悲しい伝説について何故か説明します(さっきから「何故か」ばっかりですみません)
この謎の横笛男の正体は実はNASAの宇宙飛行士で自分は「宇宙パルサー」の調査の為に宇宙へ旅立つと道子に別れを告げます。
「宇宙パルサー」って何?と検索しても自分と同じ宇宙パルサーが分からなくて調べてる人が多いのか出てくるのは『幻の湖』のことばっかりで無限ループに入り込んでしまった様で何か怖くなりましした。

そんな時、道子が働くトル...ソープ(もういいですね)トルコ!に日夏が客としてやって来ます(なんてマヌケ)
そして道子はトルコのノースリーブ和服のユニフォームを着たまま日夏がシロを殺した包丁を手に持って逃げる日夏を追ってそのまま「第2回琵琶湖ジョギング勝負」に突入します。
(U ^ω^)ワン!!

この琵琶湖の周りを走るジョギング勝負がまあ長い長い...
包丁を持ったノースリーブ和服女が中年男を追いかけるシーンが延々と続きます。
この映画たぶん走ってるシーンをだいぶカットしたら1時間ぐらいで終る話じゃないでしょうか?(この映画3時間近くあります)
そしてついに道子は日夏を追い抜きます。
道子大勝利!シロあたしやったわ!勝ったわ!
そして包丁で日夏をブスリ!(復讐でしたね。ジョギング勝負がメインではなくて、忘れてました)
その瞬間スペースシャトルがドーン!!と飛び立ちます。
この、包丁でブスリ!スペースシャトルがドーン!のタイミングが最高で『幻の湖』は未DVD化時代、今は無き大井武蔵野館などマニアが集う映画館で度々リバイバル上映されていたのですが、包丁でブスリ!スペースシャトルがドーン!のシーンで客席は爆笑、拍手をするのがお約束でした。

そしてラストシーン。
スペースシャトルで宇宙に旅立った謎の横笛男改め謎の宇宙パルサー調査員は横笛を取り出すと宇宙空間へと横笛を放ちます。
何故か...

池袋・新文芸坐が今のパチンコ屋の上、キレイに改装される前、文藝坐の頃に見ました。
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