大道幸之丞

メジャーリーグの大道幸之丞のネタバレレビュー・内容・結末

メジャーリーグ(1989年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

大味な印象があって観ていなかったが、「2」での石橋貴明を観たいがために、まず「1」を観ることに。

甘く観ていたが公開当時ヒットした理由がわかる。まずアメリカ国民はNFLとならびMLBを愛している。

本作もMLBを愛するスタッフが制作した事は随所に感じる。そして驚いたのは実在の球団クリーブランド・インディアンス(現:クリーブランド・ガーディアンズ)の全面協力を得てと実名のまま映画は制作されている。ここは日本ではなかなか考えられない部分で、相互の信頼関係がうかがえる。

移転をし悠々自適に暮らしたいがためにチームを最下位へ落とさんが為にボロボロの選手獲得と、ドサクサに紛れて素人が紛れ込んだり「訳あり」のメンバーを寄せ集めたが、普通に戦ってもそう敗け続けるわけでもない。

タイヤ工場経営者だった監督ルー・ブラウン(ジェームズ・ギャモン)や前監督でGMに据えられたチャーリー・ドノヴァン(チャールズ・サイファース)も本来オーナー側の立場でありながら、根っからの野球好きは隠せずチームを後押しする。

メンバーがやがて個性と力を出し始めるが、ヤンキースには歯が立たない。ある日、GMから意図を打ち明けられたルーが選手たちを集めてそれをバラす。

そこで選手たちは全員発奮し一気に団結し怒涛の連勝街道を突っ走る。
癖のある者がその癖故にチームに力を与えるし役に立つ。特にヤンキース戦で相性のいいエディー・ハリスがへばり、急遽リッキー・ボーンがリリーフに向かう。女房を寝取られたロジャー・ドーンがリッキーを「すわ、殴るか!?」と思わせるや怒りを込めて「あのバッターを黙らせろ!」と叫ぶところだ。皆勝利に気が向いている証拠だ。それを受けたかのようにリッキーが抑える。

ダメチームが活躍するようになる感動の「頑張れベアーズ」とは違いオーナーが「勝たせたくない」と画策する不条理な状況設定が面白いしジェイク・テイラーの元の恋人へのアプローチが結局チームが勝つことで好転するのもいい。非常に出来が良いエンターテイメント作品なのでこうなると「2」が心配になってくる。