観るのが大変という評判を聞いていたので恐々として観たが、普通に楽しめたので拍子抜けした(というのもなんだかおかしいが…)。
暮らしのミニマムさというか、本が一冊もないのにどうやって時間を過ごしているんだろう。労働、食事、睡眠の繰り返しというのが、見てきたし経験してきてもいる結局生きるってそのくらいのものだということをズバリ言い当てられた気がしてくる。
2日目に来るのはツァラトゥストラか?そのあと十字軍ぽい変なキリスト教徒も来るのはニーチェの著作にゆるやかにつながっているのか。
長回しのカット割りと構図がすごい。同じルーティンを映すにもちょっとずつ違う、それは構図だったり、リズムだったり。すでに映されたものが画面の外で行われている間、あたかもそれにかかる時間をとっているように見せながら、明らかに時間を短くして演出している。日常の繰り返しの時間の流れの体感をうまく表しているようで、面白い。
とにかくカメラワークのすごさだけで2時間見れてしまう。それぐらいの実在感、映像の語りかけの強さ。撮影のフレッド・ケレメンは自身の監督作も撮っているらしいのでぜひ観てみたい。
タルベーラのインタビュー
http://www.outsideintokyo.jp/j/interview/tarrbela/index3.html