千年女優

英国王のスピーチの千年女優のレビュー・感想・評価

英国王のスピーチ(2010年製作の映画)
4.0
スピーチが重大な公務でありながら吃音に悩まされる英国王ジョージ六世。来る第二次世界大戦の開戦に向けてスピーチの天才ヒトラーに劣らない国民の士気を高める演説が求められる彼が、治療にあたった言語療法士ジェフリーと二人三脚で熱心な練習に取り組み、献身的な妻の支えもあってついにその瞬間を迎える様を描いた伝記映画です。

自らも吃音症持ちであるデヴィッド・サイドラーが書き上げた脚本をトム・フーパーの監督で映画化した作品で、数々の師弟関係が描かれた過去作に倣った悩める主人公と彼の元に現る優秀なメンターによる再生の物語が評価されてアカデミー賞では12部門にノミネート。作品賞、主演男優賞、監督賞、脚本賞と主要4部門制覇を果たしました。

定型的なお話ながら英国王という立場と世界大戦の宿命を絡めて推進力とカタルシスを与えていて、吃音を克服するため音楽やFワードを利用する様でコミカルなエッセンスや今風なHIPHOP精神を宿させて彩ります。初対面で友人である事を求めたジェフリーが見事スピーチを終えたジョージに改めて「陛下」と応える様に心打たれる一作です。
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