ふたりが過ごす家は「泣きしずむ女」と同じあの家で、家主のアランスーションは分身のようにドワイヨンに似てる。付き合って１年目のカップルが過去の亡霊に嫉妬しあっていつものぶつかり稽古。水温低いプールに飛び込んだり、夜のドライブでおきざりにしたり、先人の残した花を燃やしたりと足掻くバーキン。本棚の本開いて唾を吐きあい、ダンスみたいに動き回るふたりに愛の残像を手探りしてるようなポエムみたいなセリフ。険しい表情で下品なことばっかり言ってるかと思えば、いきなりひざまづいて髪切ってくれって勘弁してー、だけどザンバラになったバーキンの横顔が急に美しくみえる。脱いだりまた着たりしているふたりはいつのまにかペアルックになっている。愛の呪文はジュテームでハッピーエンドなのがまた寒々しくてコメディとはいえなんだか恐ろしい。ジェーン・バーキンforever
