とぶとかげ

エデンの東のとぶとかげのレビュー・感想・評価

エデンの東(1954年製作の映画)
3.7
午前十時の映画祭にて鑑賞

所謂「良くできた映画・古典」感がスゴイ。2時間全くたるみ無く、無駄なシーンとかも全然ない感じ。あとジェームズ・ディーンの可愛げがこれでもかと繰り出される感じもスゴイ。女優がとにかく魅力的に撮れてる映画は数多いと思うけど(映画監督には男性が多いから?)、男優をここまで可愛げたっぷりに撮った映画ってあんまりないのではないだろうか?そりゃーディーン人気も出るというもんですわ…あと柳の枝に隠れてキャルとアブラが何してるかアロンからはよく見えない、って演出、うまいなーと思いました。

それにしてもアロンは可哀想…彼みたいな人は銃持ったって撃てやしないでしょう。戦死確定だよ…つまり、あれはアロンの間接的な自殺を暗示しているということなんだろうなあ。戦争を嫌っていた彼が、その戦争により自死を遂げるという…やっぱり可哀想…

聖書のカインとアベルの話がモチーフになってるのはすぐ分かるし、吉田秋生(是枝監督の「海街diary」の原作者)の漫画「カリフォルニア物語」のヒースの家庭環境設定もこの映画の引用(もちろん違うところもあるけど)だったんだ、という発見もありました。