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数に溺れてのzukkiのレビュー・感想・評価

数に溺れて(1988年製作の映画)
3.7
虫や花、絵画など多種多様な小道具・大道具でセットを彩るだけでなく、1から100までの数字を各カットに忍び込ませるという遊びが、非常に面白かった。ただその遊びが、物語と強くリンクしたかと言われれば疑問。また、この遊びに途中まで気づかず、かなり損をした気分。

意外にも物語はフラットで、ビックリ要素等は無い。美しいカットの迫力に勝る意外性・重厚感のあるストーリーを期待していたので、少々満足度は落ちた。一方、普通なら絶対にやらないはずの行為を、順番が来るように(言及が若干あったが)こなしていく3人の女性というのも、1の次には2が来る、アルゴリズム的なものに則っているのかもしれない。そんな意味で『数に溺れる』というタイトルは納得できるものだった。

マイケル・ナイマンの音楽は素晴らしかった。
『ボーはおそれている』で目にした画にそっくりの場面があった。
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