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ゲート・トゥ・ヘヴンのmumbleboyのレビュー・感想・評価

ゲート・トゥ・ヘヴン(2003年製作の映画)
3.4
ここの所イタリア関連の映画が続いてたのでちょっと違う映画を観ようと思ってそう言えばドイツの映画監督ってヴィム・ヴェンダースとヴェルナー・ヘルツォークくらいしか知らないなと思い他にはどんな人がいるんだろうと思って調べたら出てきたのがこの方、ファイト・ヘルマー監督でした。ヴィム・ヴェンダースとも関係があるみたいなんで観てみようと思いました。

で、、観てみたのですが率直に言ってムチャクチャな映画でした。フランクフルトの空港で強制送還から逃れた難民の主人公アレクセイが空港内で秘密裏に働いてそこで出会った女性ニーシャに恋をする、、だけではすまない、すんごいドタバタ劇でした。

そもそもこの映画の設定自体がすごくもやもやするというか、難民たちの厳しい状況にはすごく同情するのですが、空港という本来セキュリティーが万全であるべきな場所でやりたい放題好き勝手にしている様を描くのは痛感面白いという程でやってるのでしょうが、個人的にはあまり笑えませんでした。今作は空港の全面協力がなければ作れなかったと思いますがよく許可が下りたなと思いました。フランクフルト空港という設定ですが実はもっと色々とゆるい土地で作ったのではと疑ってしまいます。こういうハチャメチャやったらオモロイやん、みたいなノリがあるなって認識はありますが個人的にはそんなに好みじゃなかったです。移民難民問題を扱ってはいますが、ちゃんと寄り添っているというよりはネタに使って何も解決策を見出そうとしていないなって思います。これに比べてアキ・カウリスマキ監督の「希望のかなた」などでは難民の主人公をフィンランドの地元の人々が優しく助けるという話でそういった現実を描いたというよりも監督がこういう風であればいいなと思い描いたという作品でした。

今作はシリアスな題材を扱いながらも、笑って感動できるハートウォーミング・ドラマ、みたいなコピーで語られてますが個人的にはそこまでハマりませんでした。
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