Clara

タロットカード殺人事件のClaraのレビュー・感想・評価

タロットカード殺人事件(2006年製作の映画)
2.0
旅先のロンドンで手品を見にでかけたアメリカ人のジャーナリストを志望する女子大生。その会場で、手品の協力者に選ばれ手品に使う箱の中へ。すると、数日前に亡くなった敏腕記者の霊が現れ、殺人事件の特ダネを代わりに追うように頼まれる。一生に一度のチャンスとばかりに、霊から得た情報をもとに動き出す。

久しぶりのウディ・アレン作品鑑賞。本作はちょい役ではなく、ガッツリ主役級の手品師約役で登場。スカヨハとヒュー様というスターと肩を並べています。笑
彼の作品はとてもわかりやすい。登場人物も最小限だし、話の流れもシンプル。ただしセリフは多い。そして、シンプルさの中にしっかり自分の世界を築き上げている。雰囲気で彼の作品だってわかるもんね。ただ、ユーモアや遊び心はあっても、それが面白いか否かという問題にぶち当たる。個人的には、人に勧めたくなるような面白さは感じないというのが、率直な印象。さて、本作はどうか。

イケメン御曹司が容疑者という霊からのリークをもとに、素性を装って接近するサンドラ。あまりパッとしない容姿なんだけど、調えれば美人ということで…まんまと成功。ところが、あるあるな展開で本当に相手に惹かれてしまう。徐々に真相を追うのが嫌になり、彼は殺人事件とは無関係だと信じるように。そんな彼女を正そうとするのが、霊の力を借りたアレン。たまたま自分も霊を見てしまったがゆえに同行する羽目になり、主人公の父親を装って事件を一緒に追っていたけど、最終的には彼の方が必死になるはめに。それもこれも、主人公に大スクープのチャンスをモノにしてもらうため。もはや本物の父親のよう。笑

アレンの演じる役はおっちょこちょいだったり、適当だったり…なんか危なっかしい。でもそれに意外性がない。私の場合、アレンはそういうものだとイメージがついてしまっているよう。これが無ければもっと素直にこの偽父親の存在を楽しめただろう。
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