ゲイリー冨久津

エグザイル/絆のゲイリー冨久津のレビュー・感想・評価

エグザイル/絆(2006年製作の映画)
3.5
香港ノワールの名匠ジョニー・トーが、裏社会に生きる男たちの熱い絆を描いたハードボイルドアクション。

男臭い映画の4本目。
男たちの絆がテーマの映画。
ハードボイルドでノアールな感じ。
どことなく西部劇やアメリカンニューシネマな雰囲気も感じる。
ワイドな画面を目一杯使った構図で、凝った撮影をこれでもかと見せてくれる。

男臭い映画ではありますが、出てくる女性もカッコよく思いました。
通常であれば泣き崩れる状況において、問答無用で拳銃をぶっ放し、自宅で火葬すると、その後は子連れ狼状態で放浪する女性。
どんな状況でもしっかり料金回収する女性など、端役であっても見せ場あり。

セリフ少なめな映画ですが、だいたいの人間関係が把握でき、古びた写真1枚で幼い頃から兄弟のように育ってきた男たちだという事が理解できる辺り、上手いなと感心。

映画中盤辺りで当初の目的を失ってしまい、放浪する男たち。
コインの裏表で自分たちの行動を決めるほど、ふざけつつも場当たり的な状況。

しかし、映画終盤においては熱い展開。
ラストは即決で駆けつける男たち。
そして、どんなに険しい状況においても彼等の変わらない絆が最後に撮られた写真で表現される。

いわゆる男臭い映画ではありますが、軽いノリもあったりで、臭さ抑えめの映画です。
ゲイリー冨久津

ゲイリー冨久津