や、やべぇー!!
「終」が出た瞬間、感極まって思わず拍手しちゃいました…。
近松門左衛門が残した晩年の傑作文楽「心中天網島」
ちょうど先週、近松門左衛門を扱ったNHK木曜時代劇「ちかえもん」が最終回を迎えまして(週一の楽しみが消えた…)、ここ最近文楽モノにやられっぱなしです!
増村監督の「曽根崎心中」は正直良くも悪くも凡庸な実写化って感じがしちゃって、さすがに元々の人形浄瑠璃には敵わないなという印象でした。
しかし本作は原型の範疇を飛び越え、映画という媒体の中で変幻自在な演出をブッ込んできた…。
これぞATG全盛期の成せる技!
この爆発的化学反応には、半ば放心状態でした。
セリフや言い回しにも終始惚れ惚れしっぱなしだし、
人形浄瑠璃の舞台装置を逆手に取った手法で、黒子がそこらかしこで登場するのも斬新で面白い。
初っ端から尋常じゃない入り込みようで観てて何度も鳥肌が立ちました。
まるで牝猫のような遊女小春と、女房おさんを見事に演じ分けた岩下志麻の一人二役もヤバすぎる!到底同じ人とは思えません!
江戸の大衆娯楽と近代アートがモノクロームの世界で素晴らしいコンビネーションを生み出した文楽映画の傑作です!