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心中天網島のsowhatのレビュー・感想・評価

心中天網島(1969年製作の映画)
4.0
【真の主役は黒子たち】

人形浄瑠璃と歌舞伎と現代演劇を足して3で割ったような映画。ストーリーはほぼ原作通りだが、演出の斬新さ、無駄を削ぎ落とした美術と音楽の無常感、二役を演じた岩下志麻(公開時28歳、結婚3年目)の切なさと一途さが入り混じり、まったく飽きさせない。前景でセリフをしゃべる役者たちは監督に操られる人形であり、本作で物語を引っ張っていく真の主役は黒子たちである。こんな実験的な映画が映画館で公開され、しかも客が入ったというのが驚き!
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