じぇいらふ

ラ・スクムーンのじぇいらふのレビュー・感想・評価

ラ・スクムーン(1972年製作の映画)
2.5
ジャン=ポール・ベルモンド傑作選3を観まくれシリーズ④

先週『勝負(かた)をつけろ』を観て、面白いけど変な構成の映画だよなあとか思ってたら、今回の傑作選シリーズではその11年後のリメイクを観られる。そもそもが原作ジョゼ・ジョバンニの『ひとり狼』の映画化なのだが、原作者自身が監督したリメイク作が今回の『ラ・スクムーン』、、、なんとなーくこれ悪い予感がしていたのだが、、、、的中笑。

1934年6月 教会で落ち合う2人片方に金を渡している ベルモンドを殺そうとするが、、、返り討ち~はじまり

おはなしは、『勝負をつけろ』と基本同じ。主人公ロベルトは、無実の罪で収監中の友人グザビエを救うために、賭博場に乗り込んだり、監獄入ったり、爆弾処理したり、、、という色々無茶するおはなし。ラストがちょっと違ってます。

主人公ロベルトを同じベルモンドが演じてますが11年経ってるので、若い頃の感じとは違った、すっかりスターの貫禄と渋みがあってかっこいいです。
キャストが『勝負~』とは違っていて、『勝負~』でアメリカ人チンピラやってた人が、友人グザビエ役に。だからごつい、怖い笑。
グザビエの妹はクラウディア・カルディナーレ、これは良き😆❤️

面白いのは、『勝負~』で白人のアメリカ人🧑🏼‍🦱チンピラだったのが、ここでは全員アフロの黒人👨🏿‍🦱になってました。インパクトアップ笑。音楽もなんとなく黒人風。

やっぱり『勝負~』と比べちゃうんですけど、賭博場の親分殺して死体を処分しに行くの、『勝負~』だと夜中の墓地の井戸だったのが、堂々昼間に捨てに行きます笑。そういえば全体的に明るいなあと思ったら、夜のシーンなかったような笑、、、撮影の都合かなあ??なんかフィルムノワール感がないです。

爆弾処理のシーンですが、ここ冒頭次々と「ぎゃー💥」か派手な爆発と死亡シーン連続して見せて、いかにも恐怖を煽る感じがなんか安っぽいけど面白いです。
『勝負~』だと地雷処理だったのが、ここでは爆発物なんでもありで、ついに小型ミサイルみたいなのが出てきて笑、友人グザビエが無茶対応~爆発💥同じく死なないんですけど、さすがに死ぬだろこれ笑。
なんか演出が全体的に結構適当というか、雑さ加減満載😅

両方観ての感想は、自分としては『勝負をつけろ』の方が好きですね。これも初見では変わった映画だなあと思いつつも、爆弾処理シーンとか緊迫感あって、映画としてはこっちの方がいいと感じました。多分『ラ・スクムーン』の方が、ベルモンド全盛期の作品だけに有名なんでしょうけど、正直、映画としてはちょっと演出的に退屈だなあと思いました。

原作者である俺が思う通り映画化してやる!!と意気込んで取り組むと、大体上手くいかないすよね。そもそも映画監督じゃないし~とか思ってたら、なんと15本くらい映画作ってた?!マジか🤣
今回の作品、色々???な瞬間が多くて、ある意味前作を超える珍品になってます笑。そういう意味では面白いです。

ジョゼ・ジョバンニ自身は、原作の小説家としては、ジャック・ベッケルの名作『穴』、ロベールアンリコの『冒険者たち』、ベルモンドなら他に『オー!』とか映画界に大変貢献している凄い人です、一応😆