精神科病棟に入院させられた少女たちのお話。
一本の作品として、映画そのものはとても面白かったです。
実はちょっと気になるところもちょくちょくあるんですけど、総体としての面白さが勝るので「楽しかった〜」となった作品でした。
ただ、そういう映画って、見終えて振り返ったときにどうしても、その気になったところばかりの印象が浮かんできてしまうのが困り物。
原作が自伝小説ということで、その辺はちょっと推して知るべしみたいなところはあると思うのですけれど、なんというか。
主人公がこう……どうにも信用できないというか……合わないっていうか……。
他の患者たちの振る舞いやエピソードと比べて、どうしてもいろいろ歯抜け感があるのは否めず。
端的に言えば、ポジティブな面しか語られていない感じ。
まああんまり嫌われちゃうような要素があると、それはそれで感情移入先として不適格ってことにもなっちゃうんですけど……。
中盤の青春群像劇みたいなところが好きです。
深夜、秘密の地下通路を抜けて、みんなでこっそりボーリングなんかしちゃう少女たち。児童文学の世界だ……。
終盤の展開も迫力があるというか、リサ(アンジェリーナ・ジョリー)がひたすら魅力的で最高でした。
「主人公の視点で進むのにその主人公が合わない」、という致命的な状態で視聴したにも関わらず、とても面白かった、と思うとたぶんすごい作品。
本当にお話そのものはとても楽しめました。