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17歳のカルテのこまちのレビュー・感想・評価

17歳のカルテ(1999年製作の映画)
4.5
精神病院で出会った人々との交流や成長を描く。

主人公が最後示唆していたように、本当に境界性パーソナリティ障害だったのか、病的であるかそうでないかというボーダーラインも曖昧なもの。

アンジェリーナ・ジョリーの危なっかしい女の子の演技が素晴らしい。依存的、支配的な友人関係を築き、脱走と入院を繰り返すことに安住して、精神病、不幸であることをアイデンティティにしてしまっている。

共に回復を目指す場だが、良い刺激もあれば悪い刺激もある。

精神医学の本でこの作品が紹介されていて、そこでも青年期の特徴と境界例の特徴は類似するという話もあった。自分の中にある対立する感情や衝動はきっと誰にでもあって、人間の本質的な痛みや弱さ、そこからくる強さにも向き合える作品だった。


タイトルの17才は、公開当時に“キレる17才”という言葉が、連続して若者が起こす事件からメディアが使っていたためつけられた商業的な邦題らしいけど、内容は充実していた。
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