DJkokiABE

逃亡くそたわけ-21才の夏のDJkokiABEのレビュー・感想・評価

逃亡くそたわけ-21才の夏(2007年製作の映画)
3.8
6月の入院中に原作読んでから見直したら前よりも楽しめました

亜麻布二十エレは上衣一着に値する
(あまぬの二十エレはじょうい一着に値する)
主人公のあたしこと花ちゃんはずっとこの幻聴に悩まされ精神病院から脱出する時に同じ病棟のなごやんを道連れに脱出し、なごやんのルーチェ(自称広島のメルセデス )であてのない逃亡をするロードムービー

フランス人のハーフの美波さんが博多弁で熱演していて良かったです

幻覚のシーンはやはり再現は難しいのは仕方ないし幻覚具合も人それぞれだと思いますが幻覚の再現シーンかイマイチでした
もっとサイケデリックにグニャグニャした方が良かったかも

原作の小説は直木賞の候補にもなり、わたしの心情とか薬の効き具合の描写とかが上手く表現されていて映画以上に好きです

以下は小説の印象に残ってるところです

私は消耗していた。残っている力も、自分を消すことでぴったりなくなりそうやった。
何もわかってない人達と、嫌なことばかりの現実に耐えられる力はもうどこにもないような気がした。

「大丈夫だよ。精神病くらいでいなくなる友達なんか、遅かれ早かれ別れる運命だったんだよ」

絲山秋子さんの小説は結構いろいろ読んでますが1番好きなのは川端康成文学賞を受賞した「袋小路の男」で、これは恋愛小説の中でも1番凄いって思った作品でした

全部ローリングストーンズの曲目がタイトルになっている「ダーティーワーク」もとても良かったです
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