hamahamaji

グラン・トリノのhamahamajiのネタバレレビュー・内容・結末

グラン・トリノ(2008年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

映画ポスターのイメージとは全然違って優しくて愛のある話だった。

戦争という、人を殺すことが名誉とされる時代を生きて、「生」より「死」を知りすぎてしまった人。殺人への罪の意識は一生消えない。戦争という時代背景のせいで、罪に問われないからこそなおさら。

懺悔なんかで赦されるべきこととは思っていない。
「生」と「死」をリアルにこの目でこの手で経験した人だからこその決断。
あまりにショックで、人の命を奪うとはなんと愚かな行為か、と思わされる。

戦争という大義名分で人の命が簡単に奪われていた時代を生きた人間が、チンピラのしょうもない逆ギレで呆気なく殺される。

最期まで自分の人生と向き合い続けたんだろう。
生きることに後ろ向きだった彼が、最期に命に代えても守りたい人たちと出会えたことが本当によかったと思う。

戦争の描写は一切ない。からこそ、彼が死ぬまで背負ってきた自責の念がどれほどのものであったか感じ取ることができる。

見る側に色んな問いと余韻を残す映画は、本当にいい映画だなぁと思った。
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