猫とフェレットと暮らす人

グラン・トリノの猫とフェレットと暮らす人のネタバレレビュー・内容・結末

グラン・トリノ(2008年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

未来のある年の離れた友人の為に命を捧げることが出来る男の生き様を見せたい偏屈じじいの映画。

前半は、ウォルト(クリント・イーストウッド)がとにかく偏屈じじいってのが描かれるけど、徐々にただの偏屈じじいではなく、不器用な人だなぁって思ってくる。

一見、ずっとアメリカ国旗を玄関先に掲げてるし、隣のモン族一家の事も毛嫌いしてるし、差別的な人間かなっと思ったら、実は全然違って、実の息子や神父にも、悪態をついて、この人、差別じゃなくて、とにかく偏屈なんだなぁってか、こんなじじいと関わりたくないわぁ。って描き方が良かったです。

ウォルト(クリント・イーストウッド)は人種を差別してるんじゃなくて、とにかく、周りに人間がいちいち気に食わないという、誤解されそうだけど、ただの偏屈じじいなのがいいキャラクターなんですよね。

このキャラクターの可愛さもあって、タオ・ロー(ビー・ヴァン)の姉スーを黒人のギャング達から救ったお礼に、家に招かれるとき、酒目当てで渋々参加して食べた鳥の料理。その後もモン族の人たちが自分の家に色々な差し入れの中に気に入った鳥の料理あったら招き入れるって、ほんと、お茶目というか、憎めないというか、ほんと偏屈じじい。

でも、朝鮮戦争で兵士であり、人を殺したこともあるというのがトラウマだからっていう強烈な理由があってウォルト(クリント・イーストウッド)がいいキャラクターでした。

ウォルト(クリント・イーストウッド)がタオ・ロー(ビー・ヴァン)の仕事ぶりを見て心を開いていく姿はほんとにほっこりしました。特に、冷蔵庫を地下室から持ち上げる話が良かった。タオがウォルト(クリント・イーストウッド)に下が危険なら、自分が下じゃないと手伝わないって強めに言ったときは、やるぅって思ってほっこりできました。すごく素敵なシーン。

床屋で男の会話術を教えるやり取りも良いシーン。仲ええからってウォルトと床屋のマーティン(ジョン・キャロル・リンチ)がえげつない会話のやり取り、からの、それを真似させられたタオがきつめに床屋をディスって、それ言い過ぎって言われるの。そりゃ、加減はわからんって。ってニンマリ。
からの、タオに建設の仕事を紹介するために訪れた建築現場で現場監督とタオの自動車の修理費のやり取り。でタオが男の会話術使えててニンマリ。

そして、タオ達一家をギャングから救う方法がウォルト(クリント・イーストウッド)にしかできない解決方法でビビる。これが男の死に様だって。

友を救うために死ねる男。シビレます。

なんにせよ、一番良かったシーンは、タオにデートの為にグラントリノを貸してあげるって言ったシーンですかね。

余談ですが、タオの姉スーと黒人3人組のチンピラに絡まれる白人はクリント・イーストウッドの実の息子スコット・イーストウッド。ダサい白人やらされててほっこり。