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グラン・トリノのこーたのレビュー・感想・評価

グラン・トリノ(2008年製作の映画)
4.2
妻に先立たれ、朝鮮戦争で背負った十字架を背負いながら孤独に生きる老年頑固親父をクリントイーストウッドが演じる。
懺悔のシーンは印象的で、ほんとにそれだけ?と神父さんも視聴者も拍子抜けしてしまう。人の業は話せば意外とそんなこと?ってなるのだけど、人殺しだけは違うんだと。
本作でクリントイーストウッドはその業を背負い続ける老兵を見事に演じている。所作だけでなく、表情・セリフにもしっかり染みていた。ウォルトは最後まで戦い続け、病床ではなく戦場で死ぬことを選んだ。物語を通してタオだけでなくウォルトも大きく成長するわけだけど、新聞占いちゃんと当たってて笑った。地下室での2人の最期の会話ショットはタオ視点で撮られていて、あの時点で2人の間にある明確な壁が彼の死を物語るいい演出だった。
やっぱりクリントイーストウッドは声がいい。最後の歌も激渋。タオもグラントリノが似合うかっこいい男になるであろうことを想像させるラストだった。
セリフは差別的な発言連発なんだけど、他人を傷つけずに皮肉にけなしあってるから逆に微笑ましくなってくる。グランマないす。
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