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グラン・トリノのcmkfilmaniaのネタバレレビュー・内容・結末

グラン・トリノ(2008年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

さすが名作ですね!最初は「ずいぶん頑固でワガママな爺さんだなぁ」と思いながら観てましたが、この雰囲気を壊さないまま彼の優しさが強調されていきラストには感動しました。自分の車を盗もうとした近所の少年、タオとその家族を守り、自分の命さえも犠牲にして彼らを守る姿はキリストに似ています。冒頭の部分で妻を亡くした主人公、ウォルトにカトリックの司祭が「あなたは死と命について考えたことがありますか?」と聞くんですが主人公は「おまえに死と命について何がわかる?俺は戦争を生き延びて人が死ぬ姿と生きる様を見てきたんだぞ」と偉そうに答えるのですが、これがラストに結びつき衝撃的でした。結局はウォルトが暴力団の家に行き、近所の家族を守るために自分の命を犠牲にした彼の姿こそが「死」であり、それによってタオは暴力団に邪魔されずにひとまわり成長した少年として生きて行く姿が「命」を表しているんだと個人的には思いました。
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