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日本一のショック男のはのレビュー・感想・評価

日本一のショック男(1971年製作の映画)
4.0
とにかく出鱈目で、出てくる人間みんな前しか見てない。後ろ振り返らない結果、農村の片田舎だった舞台が東京に移りハワイに移りニューヨークに移る。

出鱈目な映画ってことで「下落合やきとりムービー」を思い出したけど、赤塚不二夫の出鱈目ってどこか死が匂うっていうか、死を予感してるからこその人生の無意味さってヤツがカタチになってるような気がするのに対して、こっちは真っ直ぐに出鱈目。当時の公害問題を社会風刺的に随所に盛り込んでるのに全然後味が残らない。当時を知らないってのもあると思うけど、映画全体のグルーヴがポジティブにマスクしてるんだと思う。そんくらい出鱈目。と思ってたらラストで社会風刺と出鱈目が見事に融合してて笑った。笑いながら考えるみたいな。

「ホラは吹いても嘘はつきません」とか名言はさんでくる植木等、「成功の母だ」っていいながら失敗しまくる谷啓とかも最高だけど、とにかく加藤茶がキレッキレで最高。というか、考えてみたらクレイジーキャッツとドリフターズが共演ってすごいんじゃないか。

あとから調べてみたら最後の日本一シリーズであり、最後のクレイジー映画とのこと。この映画で締めを飾るのも、なんの余韻も残さない感じが出鱈目で最高だと思う。
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