りょーこ

日本暗殺秘録のりょーこのレビュー・感想・評価

日本暗殺秘録(1969年製作の映画)
4.5
日本で起きた暗殺の歴史

自分の為、家族の為、日本国の為、そして未来の為。
武器を取り、闘った者たち。

テロ行為は許されるものではないけれど、そうまでしないと変わらない、聞き入れられない国になっていたのだ。

それらを単純に非難なんて出来ない。
間違っているなんて言えない。

黒羊さんオススメ有難うございます。
確かに構成とか『武士道残酷物語』ぽいですね!



井伊直弼暗殺、桜田門外の変
大久保利通暗殺
大隈重信暗殺
等々

そして昭和7年2月9日に起きた、小沼正(千葉真一)による前大蔵大臣暗殺、血盟団事件。

不景気の中、権力者は私腹を肥やし、腐敗しきっている。
失業した多くの国民は絶望し、死んでいくだけ。

そんな中、立ち上がり、起爆剤となろうとした者たちがいた……



暗殺を超える思想とは何か

若山富三郎
菅原文太
千葉真一
片岡千恵蔵
里見浩太朗
高倉健

超絶豪華な俳優陣による、暗殺事件の数々。

142分の長尺中、8割は千葉真一演じる小沼パートでした。

働いて苦労して、不景気にぶちあたり、病に倒れ、そこで日蓮宗僧侶に出会い、革命に加わることを決意する。
しかし決意しても覚悟は揺れ動き、もがき苦しんで。。。

そんなとても人間らしい、リアルな感情を、じっくりと見せる作品。
それ故、滅茶苦茶キツかった。

こんなにも日本を将来を憂いて行動する人間が、今現在、いるのだろうか?

諦めて無関心になって、だから権力者はさらに思いのままにやりたい放題しているのではないか?

自分はどうなのか。
自分に出来ることは何なのか。

とても考えさせられる凄い作品でした。
りょーこ

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