今日も喉が痛い

日本暗殺秘録の今日も喉が痛いのレビュー・感想・評価

日本暗殺秘録(1969年製作の映画)
4.5
“暗殺は是が非か”

どうですか、たぶん皆さん非でしょう。当たり前ですよね。そんなのはダメに決まってると言わないと危ない奴ですからね。
ですが!この『日本暗殺秘録』を観るとですね、なんと!

“そして現代 暗殺を超える思想とは何か”

とドーンと我々に問うわけですよ。うん、そんな思想はねぇだろうな!もうやるしかねぇよな暗殺!そうだ、ありだっ…!?ハッ!なしなしなしなし今のなし!危ねぇなおい!という過激な思想になりかねない映画なので気をつけなければなりません。

冒頭の若山富三郎先生が鬼神の如く斬りつける桜田門外ノ変がめちゃくちゃカッコいいんですよね。次から次へと日本で起こった暗殺事件の瞬間がテンポ良く流れるんだけど、これが2時間続いたらどうしよう…とやや不安になると出ました!千葉真一!藤純子かわいい!
この血盟団事件がメインの話となり小沼が暗殺に至るまでの経緯を丁寧に描いている。恐慌、貧困、腐敗政治、官僚の汚職、真面目な者が馬鹿を見るこの世の中で弱者に何が出来るのか。そこにやってきた宗教君。やっほ。おお救いたまえ。これしかない。一人一殺じゃあ!うぉぉぉー!と、まぁこれ格差社会と宗教が暗殺に走るキッカケになってんだけど、考えてみれば暗殺やテロは宗教と相性良いんでしょうね。自爆テロもそうだし、宗教に傾倒した者達が日本を震撼させたオウムのテロ、宗教を恨み起こった安倍晋三暗殺は統一教会、年末に宮台真司が襲われた犯人の親はエホバとそれぞれ違った環境ではあるけど背景にはカルトがある。

なんか結局さ、政治家がアホでもカスでも心と金に余裕があればこんな物騒な事はそうそう起きないと思うのよ。
どんだけ政治家を暗殺したとて警備が増えるだけで日本が変わるとも思えないし、選挙で今の野党が勝つビジョンは全く見えてこないし、うーん、末期!!やっぱ外圧で変わるしかねぇのかい…日本よ…?
だからこれからの日本は本当にどうなるんでしょうね。日本がどんどん貧しくなって暗殺やらテロがこれから増えてしまう可能性しかないよこれ。まぁ要人の暗殺は今の日本人に国家転覆みたいな政治思想を持つ人間は少なそうなので分かりませんが、今年も無差別孤独テロがいっぱい起こりそうで嫌ですねぇ。
面白いけど嫌な映画だったなぁ。でも今!コレはもっと観られても良い気はします。