映画は遠い過去のはなし

廃市の映画は遠い過去のはなしのレビュー・感想・評価

廃市(1984年製作の映画)
4.5
2017年9月22日再鑑賞

いやぁ〜やっぱりこのノスタルジックな感じがたまんないです。とても詩的で郷愁感誘います。ストーリーが進むにつれて主人公はこの町の魅力に惹かれていきますが、それとは逆行するように物語はこの廃れ行く町の人々の醜い部分が徐々に露わにされていく過程が見事に描かれています。
観ている自分もこの町の魅力に引き込まれてしまいました。
また、ところどころ何処と無く不気味な雰囲気も漂わせています。

小林聡美はこの作品では、少しおしとやかなお嬢さん風に演じ、また違った雰囲気を醸し出しています。根岸季衣のイメージも少し小うるさいお節介なおばさんという印象が自分の中ではあったのですが、この作品ではシリアスで謎めいた女性を演じており、作品全体の印象に彩りを添えています。

ロケーションもとても良く、映像と脚本が見事に化学反応を起こした作品。
"時をかける少女"と同じくフェイバリットです。