メキシコの大物の娘を孕ませたガルシアという男の首に賞金が懸けられ、しがないピアノ弾きのベニー(ウォーレン・オーツ)は、すでに死んだガルシアを知る恋人エリータ(イセラ・ヴェガ )とともに墓地に向かう。しかし、彼らを阻む者や、首を横取りしようとする者たちとの争いが待っていた。
「ワイルドバンチ」とともに、ザ・サム・ペキンパー!って作品。
冒頭ののどかさからは想像できないような、凄惨なロードムービーだ。
ベニーは逃げてるわけじゃないのに、どんどん追い詰められて逃避行に見えてくる。
ただ残酷なアクションというだけでなく、恋人エリータとの複雑で深い関係も描かれていて、「007 カジノ・ロワイヤル」の元ネタとも思えるシャワーでのラブシーンなんかは、けっこうな名場面だ。
ずっとサングラスしたままで、首という相棒に語り掛けるウォーレン・オーツが、ダメ男ながらシブくていい!
「夜の大捜査線」「ブルーサンダー」なんかの脇役のイメージだったけど、アンチヒーローの主役でしっかり画になってる。
かなり好みが別れると思うけど、スローモーションを多用したアクションとか、衝撃のラストとか、ペキンパー色が強烈に強くて忘れられない一本だ。