イチロヲ

ラブド・ワンズのイチロヲのレビュー・感想・評価

ラブド・ワンズ(2009年製作の映画)
4.0
恋人もちのイケメン男子に執着する女子高生が、父と共謀して監禁虐待行為をおこない、プロムナイトのパートナーに仕立て上げようとする。「病んでる女の子」の暴走ぶりを描いている、オーストラリア産のスプラッター・バイオレンス映画。

被害者となる少年は、自分が運転する車で助手席の父を事故死させた、トラウマもちの男子高校生。一時、自殺寸前まで追い込まれた少年が、キチガイ少女との遭遇を通して、一方的に死の淵へと追いやられてしまう。

登場する虐待行為は、漂白剤を喉に注入、包丁を足に刺して固定、フォークで身体を引っ掻いて名前を刻印、などなど。まるで、親子揃って日曜大工に勤しんでいるようなスタイルで、凄惨な虐待行為が描かれていく。

スクールカースト云々には言及せず、「人間誰しもが負い目(負け犬精神)を心の内に秘めている」という描き方をしているため、奇妙なシンパシーを刺激させられる。オーストラリアのヒット曲を散りばめて、登場人物とシンクロさせる手法も効果を上げている。
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