ギズモX

ブルーサンダーのギズモXのレビュー・感想・評価

ブルーサンダー(1983年製作の映画)
4.4
80年代特有のレトロなハイテク感が溢れるサスペンスアクション映画。
ヘリのローター音が無茶苦茶かっこいい傑作。

主演は『ジョーズ』のロイシャイダー。
この映画ではランボーみたいにベトナム戦争のPTSDを背負っているという設定で登場する。
なんでこの頃の中年の主人公はみんなそうなんだろうな。

《オリンピックが迫っている頃のLA市警察航空隊の元に新型高性能ヘリコプター"ブルーサンダー"が配備された。
元ベトナム帰還兵のマーフィーがパイロットに抜擢されるものの、ブルーサンダーにはとんでもない計画が隠されていて、マーフィーはそれを追っていく内に真相に辿り着いてしまい組織から追われるようになってしまう。
陰謀が蠢くLAの上空を舞台に、元ベトナム帰還兵の警官vsアメリカの孤独で壮絶なドックファイトが始まった!》

再び冷戦が加熱していたレーガン政権下のハリウッド映画にも関わらず、ロシアの名前を一切出さなかったのは地味に凄いと思う。

そして物語をカギを握るこの秘密攻撃ヘリコプター。
"ブルーサンダー"
全てを破壊できるガトリング砲に加えて、当時最先端の盗聴装置が装備されており、テストとはいえ住民への安全性を完全に度外視したものなのがミエミエ。
明らかに警察組織が扱っていいシロモノではない。

エンタメ色の強い脚本ではあるものの『ロボコップ』のED209と同じように、警察などの組織が軍隊じみてきたことを示唆、又は警告してる作品でもある。

あれはポンコツだったが、こっちはそうでもないぞ。

クライマックスでの大勢を相手取ったドッグファイトは『ファイヤーフォックス』並かそれ以上。
下に市民がいる状況の中でF16を出撃させ、その上ミサイルを発射させるなんてどうかしている。
平和な街の上空をここまで大暴れした話が他にあるだろうか。

終盤の展開はウォーターゲート事件を彷彿させる空版『ランボー2』な映画です。
【以下に登場する兵器、盗聴システムはすべて-
 現在アメリカで使用中のものである】
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