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女教師 汚れた噂のにゃんにゃんのレビュー・感想・評価

女教師 汚れた噂(1979年製作の映画)
4.8
あーもうこれずっと観たかったやつ、絶対外れようがないと期待してたやつ。ありがとうU-NEXT。冒頭のくっそ気だるい明け方の青みががった街、生ゴミをあさるストレイキャット、朝帰り宮井えりなでもう心わしづかまれる。「女教師童貞狩り」の系譜、果てしなく孤独でただれた女教師宮井えりな。海辺で座り込む宮井えりなで泣く。寂しくて誰かと体を重ねたい、愛のないゆきずりのセックスを合理化・記号化するための3万円、風に吹かれれば飛ぶ、水に濡れれば破れる、そんなもろくて存在の軽い1万円札。孤独な女教師と孤独な女子高生、イキってるくせに女教師の裸体も直視できないウブな男子高生。こんなん泣くわ。「白く濡れた夏」みたいにひたすらタバコくゆらすヒロイン、もうタバコだけが友、相棒。終盤、スピニングトゥホールドが流れるディスコ、私にはこの曲は「生きてるってなんだろ♪生きてるってナーニ♪」に聞こえてしまい、それはそれでこの映画の世界観に合ってるのがすごい。静かに始まり静かに進み、一線を踏み越えて心を触れ合わす一瞬があって、若さへの憧憬や喪失感を覚える一瞬があって、ちょっとした再出発をお買い上げして静かに終わる。もう私が大好き系加藤彰。宮井えりなはもちろん素晴らしいんだけど、吉川遊土も本当にいい女優。淫蕩な血脈への不安や諦めを描かせたら天下一品ないどあきお、もうまじでエモい。傑作ですよ。
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