午前十時の映画祭最大の目玉ともいえる「エクソシスト」。ちょうど一ヶ月ほど前に監督のウィリアム・フリードキンが亡くなったというニュースが入りました。加えて、今年は「エクソシスト」が公開されてから50年目であり、「エクソシスト 信じる者」も公開される年です。このタイミングでの彼の訃報は非常に残念です。
以前に「エクソシスト」のレビュー(https://filmarks.com/movies/25060/reviews/158122854)は書いていますので、興味があればそちらをご覧ください。今回は改めて感じた点について語りたいと思います。
クリスとカラス神父の対比が印象的でした。クリスはお金持ちで有名人、娘もいて何不自由ない生活を送っています。一方で、カラス神父は唯一の肉親である母親を私立病院に入れるお金がなく、信仰にも揺らぎが見られます。こんな二人が、リーガンという罪のない少女を助けるために協力するっていうのが、なんか感動的です。特にカラス神父の悲劇的な部分を考えると、途中でウルっときてしまいました。
また、今回改めて観て、病院の検査シーンが一番痛々しく、また恐ろしいと感じました。この部分が無駄に長く描かれているのは、もしかしたらフリードキンの狙いかもしれませんね。
マリア像にいたずらした犯人は本当にリーガンなのでしょうか。私は他にも関与している人物がいると思っています。
フリードキンはスピルバーグのように多作の人では決してなかったけど、エクソシストの他にフレンチ・コネクションや恐怖の報酬などの名作を残しています。
本当に惜しい人を亡くしたと思います。改めてご冥福をお祈りします。