彼の2作目にして最後の長編映画作品で、第9回モスクワ国際映画祭に出品。祖母の田舎の家での平穏な生活から、母親の手狭なアパートに追いやられ不安定な思春期の少年をマーティン・ローブが演じる。
『ママと娼婦』とは真逆のようで、生々しい性欲は似通っている。撮影手ネストール・アルメンドロスによる緑の鮮やかなこと…。1番好きなシーンは、サーカスを見た少年が小さな子供たちに再現手品を披露して、全員に能面ノーリアクションを食らったところ。
友人達とナイーブで幸せな子供時代や若き日の無力さやるせなさ、性への目覚め、内に秘めた感情全てが詰まった青春と究極の映像美。ユスターシュの映画は没入してしまう。