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ザ・スパイダースの大進撃のodyssのレビュー・感想・評価

ザ・スパイダースの大進撃(1968年製作の映画)
2.0
【グループサウンズの時代】

BS録画にて。
1968年の映画。昭和で言うと43年。グループサウンズの全盛時代です。
当時は人気グループサウンズの映画が何本か作られましたが、その一本。
ブルーコメッツ、タイガースと並ぶ人気を誇ったスパイダースの7人が主演。もっともスパイダースは70年には解散しているので、全盛期の末期くらいにあたるでしょう。

話は彼らが海外公演を終えて日本に帰国するところから始まります。
混雑する空港内で、ひとりの持っていたアタッシェケースが同型の他乗客のアタッシェケースと入れ替わってしまう。スパイダースのメンバーのそれには新曲の楽譜が入っていたのですが、もう一方はよく分からないながら秘密の重要書類が。その書類を自覚せずに所有してしまったスパイダースは、書類を取り戻そうとする一味に付け狙われることに。

というだけならわりにありがちな筋書きですが、この映画で面白いのは同じパターンの筋書きがもう一つ絡んでいること。メンバーのひとり堺正章がアメリカで買ってきたタンバリンが狙われるという筋書きです。普通のタンバリンのつもりで購入したのですが、実はそこに埋め込まれているガラス玉が高価な宝石で・・・という設定。これを狙う美女の役で真理アンヌが出ています。

以上のような設定はよく考えられているのですが、筋書きの展開は残念ながらありきたりで、設定を十分に活かせていません。

途中、真理アンヌが色気で堺正章に迫ってタンバリンを・・・というエピソードも、ぎりぎりのところまでは行かないので、物足りない感じがします。

真理アンヌ以外に、もう一人のヒロインとして、メンバー7人のアイドルでグループの世話もしているという設定で和泉雅子も登場。彼女の明るい容姿はこの役に合っていますね。

鹿児島に公演旅行に出かけたり、高速でのカーチェイスがあったり(といっても大したものではありませんが)、工夫はそれなりにこらされてはいます。

スパイダースの曲はたっぷり盛り込まれています。それだけでなく、2カ所だけですがやはり当時活動していたグループサウンズであるヴィレッジ・シンガースも登場して歌を披露。所属がいずれもホリプロだから、ということなのでしょうか。
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