ハル

時をかける少女のハルのレビュー・感想・評価

時をかける少女(2006年製作の映画)
4.1
いつ見ても色褪せない作品。
今回は7月13日(ナイスの日)ということでFilmarksのプレチケイベントに参戦。

今でこそ誰もが知る細田守監督だが、その名前を世に知らしめるきっかけとなったタイトルであり、普遍的な物語。
学生×タイムリープ×甘酸っぱい恋愛=最強でしょ。

昨今、乱立している類似的要素強めの作品群とは違う性質を有しており、オリジナルであり、はしり的なアニメ。
この作品の秀逸な部分は『日本人が好きなテイストを劇中の至るところにバランス良く織り交ぜている』ところだとおもう。

セリフであったり、シチュエーションであったり、それぞれの人間関係であったり。
心の奥底で誰しもが一度は抱いた憧れ、それが止めどなく溢れ出てくる感じ。
淡い青春の全てが2時間で凝縮されている。
メインの3人だけではなくちょい役的なキャラクター達も愛嬌たっぷりで個性満載。
なので、そこも見所。

今回改めて、鑑賞してみて気付かされる事があった。
それは「人を想う気持ちの大切さと尊さ」
好きな人、親友、近しい仲間。
いつまでも忘れてはいけない、忘れたくない淡い感情を思い起こさせてくれる刹那。

これだけ色々詰め込んだら普通は着地点が見えず迷走するもの。
しかし、しっかりとまとまっている作品。
このバランス感覚こそが細田監督の天才的なセンスによるところであり、真骨頂なのだろう。

何時でも、誰とでも、どんな時でもワクワクとドキドキをくれる魅惑的なアニメーション。
たまたま見つけた告知により、素敵なイベントに参加できて幸せな気持ち。
最初の公開から20年近く経った作品にも関わらず、僕の鑑賞した回は満員御礼だった。
その現象一つで、名作をスクリーンでみたいファンの願いと「ありがとう」の心が伝わるはず。
アニメ好きな方は勿論、普段アニメを見ない方にも一度は見てほしい傑作。
ハル

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