Kasa

時をかける少女のKasaのレビュー・感想・評価

時をかける少女(2006年製作の映画)
4.5
7月13日(木)(=ナイスの日)に再上映に行ってきた。再レビュー。

劇場はほぼ20代から30代前半で満席だった。その10年間に生まれた色んな人の青春に、少しずつ影響を与えた作品なんだと思う。

大人になって見てみると、キュンキュンする恋愛映画が、時間の不可逆性を痛感する感動作品に変わっていた。いつのまにか泣いてた。
「未来で待ってる」の意味、『変わらないもの』の歌詞の意味、映画の主題、10代の刹那的な感情、その全部がスッと理解できるようになっていて、うれしくて寂しかった。もう当事者ではないんだな。

図書館に入り込む風、グラウンドや中庭に響く声、踊り場に入り込む日差し、ローファーの足音、制服の襟元の鬱陶しさ、うたた寝した時に頬に張り付く机の質感、汗の匂い、自転車のチェーンの回る音、川べりの夕焼け、書ききれないほどのあれこれが、一気に蘇ってきた。

時かけは、中高生に向けた青春映画でありながら、大人に時間の儚さを痛感させる映画でもあったんだな。だから当時もヒットしたんだ。

中1の夏休み、友だちの家でDVDを見て初めて時かけを知り、そこからしばらくカラオケの十八番は『ガーネット』になった。中学生でハマったものはその人の価値観に大きな影響を与えるらしい。たしかに思い当たる節がありまくり。映画にハマったのもタイムリープものを観漁ったことがきっかけだし。

またこの季節がやってきたんだなー。
夏が、どんどん特別ではないものに変わっていっている気がする。

映画の構成については、セリフのないシーンがたくさん入り込むのが印象的だった。今の世の中では無駄だと言われてしまいそうなシーン。スマホがないのも新鮮で羨ましい。私たちは良い未来に向かってるのかな?
 

——————-
↓2016年夏のレビュー(テンションが若い)
祝10周年!
またこの季節がやってきた!
夏が来ると恋しくなる映画の一つ。
原作との絡め方が素敵。
今後どんなにリメイクされようとも、本作を超えることはないと思う。
Kasa

Kasa