Maoryu002

シマロンのMaoryu002のレビュー・感想・評価

シマロン(1960年製作の映画)
3.4
1889年、早い者勝ちで土地を手に入れられるランドラッシュを皮切りに、弁護士で開拓者のヤンシー(グレン・フォード)と良家の妻セイブラ(マリア・シェル)を中心とした、オクラホマの人々が挫折し成功していく25年間を描いた大河ドラマ。

冒頭、広大な大地に集まった人々が、土地を求めて疾走する映像は壮大。
あんなんで土地が手に入っちゃうというやり方には驚きだが、それも含めて開拓時代のロマンを感じる。

夫ヤンシーは常に刺激を求め、平穏な生活にとどまれない男だ。だから、生活が落ち着くとすぐに行方不明になっちゃう。
ありえないわがまま男なんだけど、家族の元に戻る度、「埋め合わせをする」って言い続け、最後にはセイブラに「愛してすまない」と言葉を残す。
結局、愛してはいたけど、一番ではなかったってことなんろうなー。

一方の妻セイブラも欠点がないわけではなく、人種偏見があり、世間体や肩書に囚われている。
それでも彼女は家族を思う気持ちはブレない。

彼女や実業家になったソルや石油王トムによって開拓がなされたように見えるが、実はヤンシーのような理想に燃え、新たな刺激を求め続ける人々がいてこそ、西部の開拓、アメリカの繁栄がもたらされたという話だ。
テキサスが舞台だった「ジャイアンツ」を思い出すが、そのオクラホマ版といえるだろう。

ただ、そこには先住民への迫害なんかがつきもの。映画にも少し出てくるが、そこの掘り下げはなかった。
そして、グレン・フォードは嫌いじゃないけど、野心的で理想家で冒険家のヤンシーがそこまで魅力的に見えなかったのは残念だ。

大河ドラマとしては「ジャイアンツ」に比べて登場人物が少ないのに、それぞれの掘り下げが全体的に足りなかったように感じた。
Maoryu002

Maoryu002