小川一輝

シマロンの小川一輝のレビュー・感想・評価

シマロン(1960年製作の映画)
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産まれたばかりのわが子の頬を撫でる手の甲が、友人の死んだばかりの放蕩息子の頬を撫でた時、その反復が生み出すやるせなさと叙情にため息が出る。散文的に描かれる出来事の随所に見られる反復や印象的なモチーフ(十字架、国旗、帽子、手紙、尻を振って歩く女たち)に目を凝らす。映画の始まりで2階から1階に移ったグレン・フォードが再び2階に上がった瞬間のサスペンス!裏切りと企みと叶えられなかった約束を部屋に入った瞬間に受け止めるグレン・フォードの表情に映画を観る。
小川一輝

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