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シマロンのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

シマロン(1960年製作の映画)
3.3
フロンティア・スピリットを象徴する男の半生を描いたエドナ・ファーバーの同名小説をアンソニー・マン監督が映画化した西部劇。
ただし、原作やアカデミー作品賞を受賞した1931年の映画「シマロン」とはストーリーや脚本に差違がみられる。
原作:Cimarron(1960)

1889年、良家の娘でお嬢様育ちのセイブラ(マリア・シェル)は、親の反対を押し切り、夫で元ギャンブラーの弁護士のヤンシー(グレン・フォード)とともにオクラホマで行われる土地獲得競争「ランド・ラン」(※)に参加するために旅立つ。

※この時のランド・ラン:元々ネイティブ・アメリカンの土地である200万エイカーを、アメリカ政府が一人160エイカーづつ区切り、そこに旗を建てた者に無償で分け与えるもの。5倍以上の倍率になり、馬や馬車に乗り、(10~15マイル)先にある出来る限り肥沃な土地を目指すため、レースによる決死の争奪戦になる。

ランド・ランに参加したものの、ヤンシーはかつての恋人ディクシー(アン・バクスター)にだまされて土地獲得に失敗する。
そして育ての親でウィグワム紙創刊者のサム・ペグラー( ロバート・キース )がランド・ランで死んだことを知ると、彼の意志を継ぎ、正義のための新聞「オクラホマ・ウィグワム」紙を引き継ぐことにするが…

物語は、米西部劇戦争を経て、第一次大戦が始まった1914年、ちょうど「オクラホマ・ウィグワム」の創立から25年目で終わる。

「俺たちは最初から物の見方が違うようだ」
「実際は土地なんかじゃ人生の問題は解決しない」
「男には二つの帽子は被れない。
同時にはね。
…いつでも帽子は代えられるわ」
「愛してすまない」

ネイティブ・アメリカンへの理不尽な差別や理不尽な行為(縛り首=殺人、小学校登校拒否、石油の利権の詐欺的買い上げ…)に反対してインディアン擁護の信念を曲げなかった開拓者として、主人公を英雄的に描いている。
なお、シマロンとは元々 "いかなけれた荒くれ"という意味。ヤンシーのあだ名だが、子どもの正式名として名付ける。
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