MissyEllio

生き残るための3つの取引のMissyEllioのレビュー・感想・評価

生き残るための3つの取引(2010年製作の映画)
3.8
社会の嫌〜な側面を全力で描いたリュ・スンワン監督、皆んな大好きファン・ジョンミンの映画。

大きな力に絡め取られていく三者+一人。ファン・ジョンミン扮するチョルギ刑事は学歴が劣る為、今ひとつうだつが上がらない。そんな折、失敗続きの警察は犯人のでっち上げを企てるが……

大きな力と甘い餌に喰いつき、負のスパイラルの真ん真ん中に置かれてしまうっていう(自業自得じゃねぇか!)。まぁ正義とか道徳とかは、一先ず棚上げしまして(^_^;)

事件を巡る警察と検察とヤクザの三つ巴。そのどこにも正しさなどはなく、今を生きる場所の確保と少しでも状況を良くすることへの執着で、悪い方へ奮闘するんですね。

『正義の為にオレは戦う!』的な、一種かけ離れた勇気と行動力に感動を覚えるのが常ですが、コチラは多かれ少なかれ心当たりのある行動原理が、なんとも苦々しいところです。

それにしても、役者さんたちの"顔"が堪らなくいい! ファン・ジョンミンは勿論、ヤクザのユ・ヘジン、検事のリュ・スンボム等々、絵力ハンパないっす。適度な緊張感があるから、ちょっとしたキャラクターの動作に思わず笑いが起こる(場内で爆笑が)など、その活かし方も上手いですね。

身近な問題に置き換えると、「人間社会ってこんなもんじゃね?」って言われてるようで、「そんなことはない!」って大声で言えるほど無垢ではない『大人』には本当に苦々しい話ですので、梅雨時にぴったりじゃないでしょうか?笑
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