てっちゃん

マッドボンバーのてっちゃんのレビュー・感想・評価

マッドボンバー(1972年製作の映画)
3.8
週末の金曜日、大暴走・野蛮地獄も最終日。
いつものミニシアターは熱気に包まれておりました。
それもそのはず、、おじさん率95%という驚異的な数値を叩き出すくらいに、おじさん率半端ない。

いいぞ、いいぞと思いながら、最高に惹かれるタイトルのこちらを鑑賞開始です。

本作は限りなく狂気に包まれており、主人公の癪に触ったら爆破していく話と主人公の過去話とが合わさっていく構成。

そんな爆弾魔おじさんと、その爆弾魔おじさんの犯行を唯一目撃していた、一見すると幸せ家庭持ちだけど性的趣向がぶっとんでるレイプ魔おじさんと、その2人を逮捕しようとしているぶっとび思考のサイコ警官おじさんの三つ巴が、事件を通して出会っていくという話。

この爆弾魔おじさんを勤めるのが、チャックコナーズさん。
もう見た目からして破壊力がすごいです。
長身漢が気難しい顔して、紙袋に爆弾を入れぶら下げ街を彷徨います。
そんな主人公は歪んだ(過剰な、しかも押し付け方の)正義感を人々に強要し、当たり散らかしていきます。
こんな男に言い寄られたら、逃げ出してしまいますよね。
街中でも、気に入らない人がいたら、突っかかっていくスタイル。
ほんで最期は、まあそうでしょうね、、という感じ。

レイプ魔おじさんの部屋は、奥さんの裸写真やエロビデオとかで盛り沢山。
それを執拗に映していくもんだから、笑いをこらえるのに必死だったけど、あれ?自分だけしか笑ってなくね?
みんなこれ面白くないの?ここってそんな真剣なシーンなの?
ちなみにこのおじさんの最期がすごいんです。
生と死が同時に重なるというか、そんな哲学的なものではなく、普通に笑えるシーン。
と思いきや、、また笑いを必死にこらえてるの自分だけじゃねえか。
まさか哲学的な意味合いがあったというのか?

本作は女性軽視表現が非常に多く、それを当たり前というか何も考えずに(製作された年代からして現代とは意識が違うのもあるけど)、表現されていくので、そこに引っ掛かりを感じずにはいられない。
レイプ魔おじさんを探し出すために、女性警官に囮捜査を強要し(昨今の露出度が高い服を着ているから悪いんだみたいな、話にもならないことを言いぬかす感じがして実に不快である)、芋づる式にレイプ魔予備軍が捕まる。
女子高生たちを爆死させたり、女性の権利を訴える団体?みたいなところに爆破したり、、やりたい放題。

現代の価値観ともっとキャラクターに深みを持たせて、テンポよく話を整理すれば、なかなかな作品になるんじゃないの?って感じ。
それこそ爆弾魔はマッツミケルセンさんとかどうでしょうかね。
ほんで監督は傑作サイコ・ゴアマンのスティーブンコスタンスキさんとかどうでしょうかね。
あれ?考えていたら、めちゃ良作が出来そうな感じじゃない?

大暴走・野蛮地獄もっと作品数鑑賞したかったけど、この2本が限界でした、、、が、観てみたいなと思ってたのを観れたので、まあよしとしましょう。
またこういうのやって欲しいな。
てっちゃん

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