ぎょうざかしゅうまいか

リトル・ダンサーのぎょうざかしゅうまいかのネタバレレビュー・内容・結末

リトル・ダンサー(2000年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

少年がバレエをはじめる?!
                
◆あらすじ
1984年イギリスにある炭鉱の町ダーラムで暮す少年の名前はビリー。
父ジャッキー、兄トニー、認知症の祖母と暮らしていた。
仕事一筋の父と兄は炭鉱で働いていたが、炭鉱への不満が募り仕事のストライキ運動に参加。特に兄は中心核として動いていた。

ある日、ビリーは父からの勧めでボクシングを習い始めることになる。ボクシングの練習は体育館で行われており、他にバレエの練習も行われていた。
初のスパークリングに戸惑いながらも一生懸命頑張るビリーだが、 思うように出来なかったこともあり、自主練に励む。最後まで頑張るビリーに体育館の鍵をバレエコーチウィルキンソンに渡すように命じるボクシングのコーチ。
ビリーは、コーチに言われたとおり鍵を渡しに行くが、なぜかバレエシューズを渡され、一緒にバレエの練習に参加することになり、、、
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◆感想
なんといっても
ビリーの魅力で溢れた映画であることは間違いない!

音楽に合わせてベッドで無邪気にジャンプするシーンから物語が始まり
トースターから飛び出すトーストをナイスキャッチし、2人分の朝食の準備する姿、認知症の祖母の姿が見えないので探しに行く姿
冒頭の数分でビリーのことが好きになった。

初スパークリングは後ろで流れるピアノやワルツに影響を受けたのか?と思わせるような、なんとも言えないぎこちなさがあり、不格好だが、ビリーの魅力を高めたように思う

そしてなんといっても
ビリーのダンスが凄まじい!
ダンスが上手いのはもちろんだが
そこに映画のストーリーに応じた感情が加わっている点がまさに天才
特に兄トニーとコーチウィルキンソンのケンカ後の怒りのビリーダンス

父にバレエを認めてもらいたくて思いを込めたダンスは必見!
バレエを習い始めた頃に一人で自宅の小さな鏡の前等で自主練するところも個人的には好き、おふろにばしゃーん笑


またストーリーもよく
男がバレエなんてと思っていたビリーがバレエの虜になっていく姿
男がバレエなんてと思う父が息子の夢を叶えてやりたいと自分のポリシーを曲げてまで行動する姿

バレエ=女性
といった偏った考え方は
映画が公開された2000年なら
現在よりもあっただろうし
ビリーが生きた1984年なら更に顕著だっただろう

こういったことを踏まえながら見ると
より
ビリーと父の気持ちが変化する姿に
心が動くものを感じる

また猛反対の兄とビリーの関係にもグッとくるシーンがあるので必見



他にも
ビリーvs父、父vs兄、ビリーvsコーチと
ぶつかるシーンが多く、その際の演技も必見

ビリーが11歳の思春期ということもあり
積極的な女の子とのやりとりがややストレートなので、子どもと見ると少しなんとも言えない感がでるかもしれない


ビリーと友だちのマイケルの関係は
ジェンダーについて考えるきっかけになるだろう


ビリー
デニム✕デニムが似合いすぎてますね👖


個人的には
ビリーの才能に気付いたウィルキンソンとの関係性にややひっかかる物があった

だが
ダンスの魅力が詰まっていて、絆あり感動あり、考えさせられるシーンが多く、頑張る姿を応援したくなるなど
名作映画であることは間違いない

2023.1本目