ハマジン

ハズバンズのハマジンのレビュー・感想・評価

ハズバンズ(1970年製作の映画)
-
にしてもタクシー、バス、地下鉄、飛行機と乗り物が頻発しながら、とことん「自分の車を運転しない」アメリカ映画であることよ。ベン・ギャザラがマイカーのエンジンをふかした瞬間カットをブツッと切って、電車に乗った3人のショットにつなぐ編集の徹底ぶりには、妙な感動すら覚えた。
「友人の死」に感情の持って行き場のない3人の男たちの、不快ですらあるのたくるような彷徨を延々見せられた挙句のラスト、カサヴェテス宅前に現れる小さな息子のストレートな感情発露に、ハッと虚をつかれてしまう。「素直に泣く」ことができなかったからこその、140分にわたる迂回につぐ迂回の映画。ベン・ギャザラは結局その迂回から帰ってこない。
ハマジン

ハマジン