亡き父の後を継ぎ、米国随一の軍需企業《スターク・インダストリー》の二代目社長に就任した天才発明家が、戦地アフガニスタンを訪問中にテロリストの捕虜となってしまう。咄嗟の機転と天才的な閃きで未知の動力源《アーク・リアクター》を開発し、見事脱出に成功するが、捕虜となった体験は彼の価値観に大きな影響を与えた。
◆Marvel Cinematic Universeデビュー作
若くして莫大な富と名声を手に入れた天才発明家Tony Stark(Robert Downey Jr.)が、自身の発明したパワードスーツに身を包んで悪と戦う同名アメコミ作品を映画化したものであり、今や一大コンテンツに成長したMCUの記念すべきシリーズ第一作目の作品。
アクション作品として『きっと好きなんだろうな』と思いつつも、脳味噌のキャパシティが残念なもので『こんな壮大な世界にはついていけない』と半ば諦めの境地におり、一切手をつけていませんでした。もっと早く観ておくべきでした。何これめっちゃ面白い！
2022年は『今年こそMCU作品に手をつける』ことをささやかな目標として掲げていました。こんなにも小さい目標なのに年の瀬までだらだらと引き延ばしてしまいましたが、何とか目標達成できたので喜んでおこうと思います。わーい。（…レビューは年越してしまったけどな。）
◆軽薄男のギャップにキュン♡
頭脳明晰で自信家。とにかくいい加減なプレイボーイであるStarkが、人生の転機に立たされた事。即ち《スーパーヒーローが誕生する経緯》が思いのほか丁寧に描かれていました。『強力な兵器が平和を生む』という父親の言葉を信じて疑わず、積極的な兵器開発に注力していた彼の目の前に突き付けられた『自社の製品がアフガニスタンのゲリラ組織の手に渡り、合衆国の兵士や罪のない村人たちの命を奪うことに使われていた』という現実。三ヶ月の捕虜生活の中で、自身も生命維持装置が必要な身体になってしまったにも関わらず、『本当に国家の為になることをする』覚悟を決めて、役員やステークホルダーからの大バッシングを承知の上で『軍需産業からの撤退』を宣言。利得ではなく大義のために、天才でしかなし得ない《アーク・リアクター》の研究を、他社の手に渡ったら危険だからと個人の極秘プロジェクトとして進める姿は文句なしにカッコいい。
親友の空軍中佐Rohdes(Terrence Howard)をはじめ、彼が開発した《不器用アーム》やパワードスーツに内蔵されている《人工知能》など、彼を支える愛すべきキャラが多く登場していた事も今作の魅力の一つ。本作のヒロインである秘書のPepper(Gwyneth Paltrow)がめちゃくちゃ美人さんだったのも良かったけど、ゴリゴリの遊び人であるはずのStarkとドギマギした感じのロマンスが突然始まった時はちょっと違和感を感じた。Starkは体裁を気にするタイプ…には見えなかったし、本当に好きな人には奥手になっちゃう的なこと…？ないよなー笑
◆自己肯定感Maxのバットマン
特殊能力を持たない（だが潤沢な資産を持っている）一般人が、持ち前の頭脳と鍛え上げた肉体、そして科学の力を用いて悪と対峙するというアイアンマンの姿は、DCコミックスのスーパーヒーロー、バットマンと重なるところがありました。Tony StarkとBruce Wayneは資産家として、実業家として、派手なプレイボーイである側面は同じであるのに、アイアンマンとバットマンというスーパーヒーローとしての向き合い方が大きく違っています。両者共に《平和》という大義のために戦っているものの、B.Wayneは『大切な人を守るために正体を明かさない』という選択をしています。バットマンの正体を隠している事により、Bruceが葛藤する悲哀の側面が一つのポイントでもあります。対してStarkは、アイアンマンが最初の事件を解決したその直後に『I am Iron Man.』と会見で明言していました。このあっけらかんとして、大っぴらで、自己主張の強い感じが、バットマンとアイアンマンの一番大きな違いだと思います。単に陰キャと陽キャっていう違いなのかもしれませんが。（乱暴）
ゴッサムシティは架空の都市であり、場所は不明ですが、何となく合衆国北東部の雰囲気を感じます（ダークナイト・シリーズのロケ地の問題？）。対してStarkの豪邸が建つのはカリフォルニア州マリブ。ザ・西海岸の陽気で開放的な雰囲気がムンムン。バットマンの持つダークで自己犠牲的な魅力とは違う、ヒロイックで愛国主義的な香りが漂う作品でした。
＊雑記＊
新年明けましておめでとう御座います。
本年もどうぞ宜しくお願いいたします。
相変わらずマイペースでのんびりしていますが、仲良くしていただけると嬉しいです！
今年の目標は、、今年公開予定の【Mission Impossible 】と【Indiana Jonahs】の最新作に向けてちゃんと復習しておくことかなぁ。…だめだ、上期しんどくなる。
