ダイナ

アイアンマンのダイナのネタバレレビュー・内容・結末

アイアンマン(2008年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

簡単なあらすじ
軍事産業社長のトニー・スタークは、自社製品のプレゼンのためアフガニスタンを訪れた際にテロリストに拉致されてしまう。自社の武器によってテロリストが活動していることを知ったスタークは、同じく囚われの身であるインセンという男と協力しパワードスーツを開発し、なんやかんやあった末アメリカに帰還。この経験によりスタークは自身の使命について行動を起こすようになる。

アクション・バトル要素が全体的に用意されていて面白かった。だけど個人的に気に入ってるのはトニー・スタークがパワード・スーツを試作する過程だった。勝手な印象だが、ヒーローが与えられるスーツやら能力やらって偉い組織から渡されたり、生まれつき備わってたりだとか「はい、今日から君もヒーローね(ポン)」みたいな、特別な力が急に渡される(発覚する)偏見がどこかにあった。アイアンマンでは、主人公が開発技術に長けている天才という設定が生かされており、スーツの飛行能力を試したり装甲の強度を調整したりと、毎日コツコツと自身で試行錯誤をしながらスーツを強化していく。人によっては地味なシーンかもしれないが、自分はこの下りがとても気に入ってる。スターク自身が鍛えるのではなくスーツの精度を高めるその様は、スーツの修行シーンと言ってもいいかもしれない。

今作最大のピンチにて、今は亡き相棒インセン製のリアクターが再利用されたのは、インセンの意思が形となってスタークの力となっているように見えて嬉しい。捨てられそうになったところ、秘書ペッパーの気転により展示品として返り咲くインセン製(有能秘書!)。これが終盤における最大のピンチに対する切り札となるのはとても熱い。過酷な環境下にて命を救われ信頼関係を築いたインセンが死してなおスタークに手を差し伸べるようで良い。そこで実際にリアクター差し伸べてくれるアームくんなんか序盤スタークにぐちぐち言われてたシーンが印象に残っている人にとってグッとくるものがあるんじゃないでしょうか。私はグッときました。

「私がアイアンマンだ」って発言はなんか深い意味があったのだろうか。周囲が色々と根回ししてくれてたのとローディの性格からしてカンペの指示ではなく、スタークの判断だと思っている。ヒーロー活動を続けていく上で素性を明かすのはマイナスに働きそうな気がするが、陰で活躍するのではなく堂々と会見上でのアイアンマン宣言は、スタークの自己顕示欲がそうさせたのか、それとも悪への抑止力・正義が存在することの民衆へのアピールを狙っていたのだろうか?とかいろいろ考えたがなんか前者のような気がする。会見終わったあとスーツの設計図を眺めながらチーズバーガー齧りつつ改良点をあーだこーだ考えてる姿が想像できるが、ラストの謎のおっさん登場で忙しくなりそう。
ダイナ

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