メモヨー

D.O.A.のメモヨーのレビュー・感想・評価

D.O.A.(1980年製作の映画)
4.0
音感が悪くて音楽の成績も1以外取ったことないから
音楽ジャンルの映画に触れることは拒否してきた人生だったけど
そろそろ立ち向かわないとかな、とこの映画を見た。
違った側面から音楽を眺めることを教えてくれるし、
音楽もかっこいいし、何よりパンクの人たちが良いね。
彼らは現在の世界に満足していなくて、フツーを嫌悪し、新世界を夢見る。
そんな姿はコリン・ウィルソン的「アウトサイダー」だし興味深い。
社会、更には家族からも切り離された彼らの中には12歳の女の子から車椅子の男性まで多種多様なヴァリエーションがあり互いに支え合いながら生きている。パンクとは社会への反抗、新意識獲得の手段でありながら、アウトサイダーたちのセーフティネットでもあるのだ。
たかが音楽と舐めちゃいけないね。俺が完全に見や誤ってた。
特に12歳の娘が出てくるシーンなんかは今の日本における「東横」とのシンパシーを感じた。分析の必要があるね。
そんな、この映画はそんな当時のパンクシーンを生きる若者たちだけで無くそれを取り巻く社会まで描いている点で秀でているのだ。
反抗者を潰そうとする「社会」の姿はポスターにも書かれている通り顕著だ。その社会をぶっ壊せと観客に語りかけるにパンクは流れ続けるのだ。
さて、今の日本ではどうだろうか。たしかにクソ自民党がのさばってるし、昔よりかは「オタク」にも優しくなったが旧態依然とした問題はあるね。同じく問題なのは「過激」にあこがれて弱いものをぶっ叩く今のSNS社会(X)が最悪だ。
後者と同じ問題はこの映画の後半でも顕著だ。
明確な信念も無しにその手段にあこがれて「過激」なことをし始める奴らが出てくる。
そして、パンクの象徴たるシド・アンド・ナンシーが死んでこの映画は終わる。けれどパンク自体は終わったのだろうか?
これも分析する必要があるだろうね。
メモヨー

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