れれれざうるす

タクシデルミア ある剥製師の遺言のれれれざうるすのレビュー・感想・評価

4.0
ハンガリーから奇才が現れました!!
ジジイのチ◯ポから火を噴くとこから始まる本作…掴みはOK!親子三代に渡る人間の“欲”を描いた三部作。
ゲロ、エロ、グロ、ゲロ、ゲロ、ゲロ、ゲロ…ひたすら嘔吐だけが脳裏にこびりつくオシャレかつシュールレアリズムな異色作。

【1部・祖父】
第二次世界大戦下でオナることしか娯楽がないオナニーマスターの『性』の話。有り余る性欲に豚ともヤる始末。「結局はオ◯◯コで〜…」というくだらん話にも「はい!!中佐殿!!」とやたら威勢の良い返事していて吹いた。これ下ネタ回避したい時使えそう…。(どうでもいい)

【2部・父】
大食いの競技に命をかけるデブが、ひたすら食べて吐く『食』の話。この世界ではおそらくポピュラーであろう大食いスポーツ(?)。人によってはもらいゲロしかねないほどゲロゲロ吐きまくり、ベチャベチャ食べまくりで、どちみち吐き気するほど不快になるであろう。大食いブタ女とのロマンスもあるがここで所謂中だるみを感じるし、何よりすこぶる興味ない。

【3部・息子】
太りすぎた父の介護をしながら剥製師をしている息子(孫)の話。こいつの欲は黙っておきます。正直この話が秀逸すぎてね!!インパクトありすぎるゆえに父と祖父の話を忘れるほど。胎児の剥製キーホルダーとか最高かよ。
この回はラストに相応しい!!素晴らしい!!



中だるみもあるが全く退屈せずに楽しめた。もうね…クライマックスの某臓器シーンなんてね…ウットリしてトキメいてしまったからね…。ビューリフォー!(拍手喝采)
監督が若いからか(しかもイケメン)、カメラワークへのこだわりが凄くてとにかくオシャレ。汚いものも許せる!……は嘘です。
親子三代で時代が変わってゆく様も興味深い。娯楽がない祖父と何でも手に入る現代。娯楽に溢れてて、もはや性などなくても生きてゆけるということなのか…?

シュヴァンクマイエルのシュールさが好きな人はハマれるかもだが、そこまで深い内容ではないので過度の期待は禁物。