1979年に大阪の三菱銀行北畠支店人質籠城事件を起こした犯人、
梅川昭美をモデルとした犯罪映画。
「30歳までにでかいことをやる」
薄幸の少年期を送っていた竹田明夫は、
そう心に誓いながらキャバレーのボーイなどをしていたが、
付き合っていた女が別の男のもとに去ってしまい、
その男が神戸を殺る(山口組の組長を)と聞かされたために焦燥感にさいなまれ、銀行強盗を行うのだが・・・
現実の北畠支店の事件が陰惨だったために、
少年時代にどんなことがあったとしても、
この主人公に感情移入はできない。
井筒和幸プロデュース、
周防正行が監督助手に名前を連ねている。
さすがに風俗描写にはうまいところがあり、
雨の夕方車で御堂筋を南下する場面はしっとりとしている。
だけどやっぱり、
やるせない気持ちになってしまう作品。
この作品をご覧になりたい方は、
実際の事件がどれだけ凄惨なものだったかを、
学習してからご覧いただくことをお勧めします。
それをふまえて・・・