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アミスタッドのGattのレビュー・感想・評価

アミスタッド(1997年製作の映画)
3.9
奴隷船での反乱事件「アミスタッド号事件」を描いたスピルバーグ監督作品。

キャストも凄いのに、いまいち人気ないのは、背景がわかりにくいのもあるかもしれません。

不法に行われていた奴隷売買の実態を描きつつ、
その後の奴隷制度に影響を与えた裁判の映画化です。

密輸の横行はあるけれど、法的には、当時、奴隷農場で育ったもの(奴隷から産まれたもの)だけを奴隷にできたようです。(先日観た「マンディンゴ」の世界は合法なのです😠)

反乱の中心人物シンケを演じるのが、ジャイモン・フンスー。
壮絶な経験を背負いながら、熱く真っ直ぐで、ワイルドな凄みもある。無茶苦茶カッコいい!
彼の演技こそ一番評価されるべきです 。元々モデルだったそうで、鍛え上げられたガタイも艶やかですw 。良い俳優だなぁ。

不法に行われた奴隷船の中では、
食料供給の不足の口減らしや、監視船から逃れる為の隠蔽として、殺戮も行われた事実も描かれます。
生々しい描写もあります。
産まれた子どもと母のシーン、印象的。

ボールドウィン(マシュー・マコノヒー)が前半の弁護。
言語コミュニケーションに難題を抱えるものの、彼はかなりの敏腕で無罪を勝ち取れます。
しかし、現大統領にかけられた南部の人間からの圧力で、最高裁への抗告が決定。振り出しに‥。南部の闇深し。
この前半までがとても良かった。

後半はホプキンス翁が登場。元大統領(第6代ジョン・クインシー・アダムス)で、人道主義者の現議員。弁護士資格持っている為、最高裁では彼が弁護を行います。モーガン・フリーマンらによる根気ある要請に応じて。
でも、残念ながらちょっと眠かったかなw。熱い弁論って感じでもなかった。
ホプキンス翁大好きなんですよ。でも物足りない。
たぶん、単に元大統領っていう「権威者」が「独立宣言を持ち出して話した」ってとこが、勝因なのではと感じてしまいました。逆転劇の爽快さがないw。

キウェテル・イジョフォーが若い!通訳を行う青年を演ってます。

兎に角、ジャイモン・フンスー!彼の素晴らしさで、僕は満足かな(笑)。

【年代整理】
アメリカ政府が他国との奴隷貿易を禁じたのが1808
1818年施行(1819年改正)の法により、密貿易による奴隷は全て政府の負担により帰還させることを決定。
この映画の舞台は1839-1842
南北戦争は1861-1865
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