まつり

アミスタッドのまつりのレビュー・感想・評価

アミスタッド(1997年製作の映画)
4.0
1998年の作品。スピルバーグ監督はやっぱりすごいな。テンポと音楽の良さよ。
そしてアメリカに対する批判的な内容をここまで描けるのもすごい…と思う2023年が歪んでるのか?
「助けを求めるのは弱さ それが間違いであると気づいた」

奴隷目線の話かと思ったら思ったより政治と裁判の話だった。
基本的人権は大前提として守られるものなのに、今も昔も結局権力層の政治のおもちゃにされてるよな…

奴隷制の身勝手さ、人権なんて感覚のなかった時代のめちゃくちゃさ
撮影もとても過酷だったと思うけど、奴隷とされる黒人役の役者さんたちのメンタルはどうだっただろう。
言語がわからない知らない国で自分たちの処遇を決める裁判が行われる絵のわかりやすさ、不安の描写もすごかった。
「GIVE US FREE」。

奴隷船の鮨詰めの図を世界史の資料集で見たのが忘れられなかったけど、映像で見てさらにしんどさがあった。エコノミーの飛行機ですら辛いのにな、とか。

あと好き勝手に人を奪って連れてきた人たち(奴隷)なのに、錘をつけて沈めるシーンが衝撃的すぎた。仮に食べ物だとしてもありえない行いだけど、それを人にやるなんて…。

「内戦なら起こるが良い」とただしく優先順位を見て断言できる人間でありたいと、思った。
ラストシーンは個人的には好きだけど、切なさというか、理不尽さが残る。まあハッピーになるテーマじゃないし、リアル。
まつり

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