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アミスタッドのIT坊やのネタバレレビュー・内容・結末

アミスタッド(1997年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

スピルバーグ作品。
奴隷制をめぐる裁判の話。この事件自体は全く知りませんでしたが、奴隷解放に至る経緯には、こんな歴史もあったんですね。

裸にされて、家畜のように餌を与えられ、都合が悪くなれば海に沈められ、レイプされて、ムチで殺される。
時間としてはそんなに長くはないけど、奴隷船の描写はどれも強烈で、「奴隷制」の非人道さをストレートに感じる事ができました。

現代日本には、あんなに明確な奴隷制ってなくて、ないのが当たり前の感覚でいたけれど。人類の歴史を振り返ってみたら、むしろ奴隷のいない状況の方が短いんですよね…。

権力のある側から自由を取り戻すのって、とても大変な事だろうし、本当に、先人たちの一歩一歩の歩みがあって、ようやく今があるんだなと。当たり前かもですが、そう思いました。

今も、色んな社会問題があって、中には、これまで当たり前とされてきたものもあるんだと思います。それを無批判に享受するのではなく、おかしいと声を上げていくことが、人類の進歩なのかなと、何だか高尚なことを思いました。

奴隷の解放ってのも、人道的な正義だけではなくて、色んな思惑があったんだろうし、今も差別は続いているし、全てを美化して語るのは乱暴なのかも知れませんが…。でも、美しい物語だし、そこから学ぶものは、確かにあったなと思います。
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