天豆てんまめ

アミスタッドの天豆てんまめのレビュー・感想・評価

アミスタッド(1997年製作の映画)
2.3
スピルバーグ作品の中では、私の中で最もノリ切れなかった作品。
目を覆いたくなるシーンもある、また裁判劇でもある、徹頭徹尾じりじりと進む。

ジャイモン・フンスー扮するアフリカの若者たちが奴隷船で嵐の中、叛乱を起こして船長たちを殺害した後アメリカ海岸に着くが、彼らの所有権がスペイン女王と奴隷商人と海軍大尉の間で争われる。そこで、彼らを奴隷として扱うか、自由人として扱うかという議論を奴隷制廃止論者のモーガン・フリーマンとマシュー・マコノヒー(弁護士)を中心に起して裁判に臨む。この2人の名優をもってしても、重さとリアリズムはあれど、じわじわとした地味さは変わらない。

裁判でジャイモン・フンスーの奴隷船での体験が語られるのだが、この描写がとても凄まじく、目を背けたくなる。最後は元大統領役のアンソニー・ホプキンスが弁護演説を行う。なぜだか声がとっても高く、役作りでやや違和感をもった。

私としては「それでも夜は明ける」の方がシンプルな作劇故に、感情移入ができた。このテーマは二度目観る気分にはなかなかなれないのだが、当時、実際、こうしたことがあったのだと勉強するつもりで受け止めた。