ポンテコルヴォのドキュメンタリー・タッチということを考えたとき、架空の国家を舞台にし、ブランド、サルヴァトーリを起用した劇映画らしいパートも多くなっているのはマイナスイメージになるところでしょう。
しかしこれは『アルジェの戦い』の印象によるところが大きいのだと思う。題材と扱い方がそもそも違うのだ。むしろ『ゼロ地帯』と比較してみると、むしろ記録映画的要素はこちらのほうがあるような気がする。
架空ではあるが、植民地統治という題材でありうることをどちらの側にも寄り切らずに描いているのは良いし、実際に記録映画としては存在しない時代のことなわけだからこれはこれで十分楽しめる。